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ウサギは日本の歴史上、唯一所有によって課税されたことのある動物でした。
ではなぜ課税されたのか?それは明治初期に、ウサギが投機対象になったからです。

市場でのウサギの価格は、ウサギ税導入直前には普通のウサギで30円前後で取引され、珍しい外来種のウサギであれば400円という値段にもなったようです。
この時代の1円は米が10~20㎏購入可能だったようですので、例えば米10kgの一般的な今の物価を3000円(2017年3月の物価)とするならば、ウサギ一羽が9万円程度になったようです。

あれ?今のネザーランドドワーフも血統書つきなら5~10万円程度しますので、そんなに高くないのかも・・・
でも400円となれば、120万円・・・ 高い。きっと血統書つきの珍しいウサギでこれくらいしたのでしょうね。


前置きが長くなりましたが、ウサギ税導入までの簡単な流れを書いてみます。

明治になり、大政奉還と廃藩置県で職を失った武士が副業としてウサギの飼育販売をはじめました。
日本ではそれまでウサギをペットとして飼う習慣がなく、物珍しさもあってか徐々に価格が上昇しました。
また外国から珍しいウサギが多く輸入されてきており、これがかなりの高額で取引され始め、多くの人々が一攫千金を狙いました。

■明治6年 当時の資料「さらさのお富」:
usagi2

■明治6年 当時の資料「全盛兎別品競」:
usagi3
※参照:江戸東京博物館 明治流行うさぎづくし

そこで冒頭のように、ウサギの価格が30円程度にまで上昇しました。

またこの頃よりウサギの毛を染めて、珍種として売るなどの詐欺行為が頻発、ウサギの投機熱が高まりすぎて商工活動にも支障をきたすこととなったと判断され、大阪府は明治5年(1872年)、「兎売買ノ市立・集会禁止」に関する布令を出し、取締りを始めました。

翌年(明治6年)には、東京府(東京都)は独自の税制を導入、飼育を届け出制にし、一羽あたり1円/月の課税を開始しました。無許可での飼育が発覚した場合は、2円/月でした。
この法律が、「兎取締規則」と呼ばれるものになります。ウサギの兎会の催し、及び競売の禁止なども盛り込まれました。


しかしこのバブル景気は続きませんでした。「兎取締規則」公布後、ウサギの価格は下落、この法律が廃止される頃には5銭(1円=100銭)にまで価格が下落、倒産する者が相次ぎ、売り抜けられなかったウサギが捨てられたり殺されたりしたそうです。

人間はいつだって勝手ですね。