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着物を着始めて日々調べながら着物を着ていると、着物にも格があって、それによってフォーマル度が変わってくることがわかりました。

図にまとめてみましたので、ご覧ください。
着物図

青い文字のほうが着物の種類になり、上に行くほどフォーマルになります。
オレンジ色の方は生地の種類で、右に行くほどフォーマルになります。

ですので、礼装の羽二重が最もフォーマルということになります。
では、それぞれ解説していきます。

着物の種類と格

礼装

現在の形の礼装が正式とされるようになったのは明治以降で、洋服が開国により入ってきたときに、外国人は礼装としてタキシードやモーニングがありましたが、日本にはそれまで明確な礼装はありませんでした。
礼装は各階級(士農工商)ごとに異なり、地方によっても異なったため、統一規格として「黒紋付羽織袴」を礼装と定めました。あえて黒を定めたのは、全国的に黒の礼装が正式とされる地域が多かったからと言われています。

またそこに「紋」を付けるのは、時代劇でもよく見るように、戦国時代より江戸時代にかけて家紋を大切にする文化があったため、これを礼装にも採用しました。
武士階級はもともとこの習慣がありましたが、家紋は江戸時代には町民階級にはない家が多く、明治時代に苗字とともに勝手につけたため、今採用されている家紋は根拠がはっきりしないものが多いようです。

この紋ですが、明治時代の太政官令で五つ紋が正装と定められました。そしてこの紋のなかでも「背紋」は特に重要視され、背後から近づく邪気やけがれをよけるための魔除けの意味も持っています。
黒紋付羽織袴
生地は羽二重のみとなります。


色紋付き羽織袴
「色紋付き袴」は黒に比べ、フォーマル度が落ちますが、葬式以外の式ごとにはすべて使えます。
ただ何着も礼装持っても使う機会がないので、黒がどうしても嫌でなければ黒を作った方が楽なようですね。



準礼装

ここは明確な基準はありませんが、生地は御召か羽二重、家紋はなくても良いのですが、「仙台平袴」を着用しているのが準礼装の条件のようです。
下のはAmazonで売っている、仙台平の袴です。
なぜ風を紹介したのかと申しますと、2020年現在では「合資会社仙台平」のみが製造しており、「仙台平」は同社の商号および商標となっていますので、他社のはすべて偽物といっては何ですけど、それに似せた袴となります。

この準礼装は、結婚式の披露宴やお茶会などに参加可能です。

略礼装

生地は御召か紬となりますが、ここで注意したいのは、御召の場合は柄でも無地でも略礼装に使えますが、紬は無地のみ略礼装となります。
他には羽織と袴をつけることが条件となります。

略礼装でも結婚式の披露宴やお茶会などに参加可能です。

お洒落着

女性でいう訪問着にあたります。男性の場合は、羽織と袴をつけることと、生地は紬クラス以上のものがお洒落義と言われるようです。

この服装では、食事会、気軽なパーティーや懇親会・二次会、正月の初詣で、新年会・同窓会、観劇などで使用できます。

着流し

着流しは袴も羽織も必要ありません。本当に普段着です。
生地も好きなものを着用してください。

ただし、季節によって着物の種類が変わります。
裏地のある袷(あわせ)は10月~翌年5月ごろ、単衣(ひとえ)は6月や9月の、季節の変わり目によく着られる着物ですが、夏も着られます。

そして浴衣。元々は室内着であって、戦国時代ころまでは湯上りにタオル代わりに着て汗を吸わせる目的で着られていましたが、江戸時代後期に銭湯文化が広がり、湯上りに浴衣を着る習慣が庶民にも広がります。
これが次第に夏の普段着として定着していきましたが、この文化は第二次世界大戦終結とともに急速に廃れ、現在ではお祭りでしか見かけることがなくなりました。

まとめ
男性の着物は、格としては今回分類したように、礼装2段階、略礼装、お洒落義、普段着と5段階に分類していると書いている人もいれば、礼装(黒紋付き袴)、略礼装(羽織と袴)、普段着の3段階に分類している人もいます。

そもそも男性の着物文化が女性に比べて圧倒的にシェアが小さいこともあり、資料自体も少なく、着物自体も売っていません。

その分、着物警察と呼ばれる古参も少なく、逆に最低限の知識さえあれば自由に着物を着てであるくことができると思いますし、ルールも女性に比べ大雑把です。

ですので、私のような初心者がいうのもなんですけど、TPOにあわせて楽しく着物を着れたら良いなと思っています。