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ウサコッツの術前検査の結果 -ウサドックの項目とうさぎの子宮癌-

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うさぎも手術前に検査をします。
この検査、ウサドックの検査項目とほぼ同じなので、どんなものが分かるかをご紹介いたします。

まず、血液検査。
ウサコッツ検査結果
結構細かい項目やるんですね。以前の日記で書いたように、腫瘍マーカーなどは動物用のはないそうです。
そしてウサコッツは血糖値がやや高いものの、緊張によるものと判断され、それ以外はいたって健康体でした。

次に頭部X-Pの画像。
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一部の歯が、奥に向けて傾いているのわかりますでしょうか?
現時点では問題ありませんが、将来一部に不正噛合がでる可能性があるそうです。

続いて体幹部のX-P。肺は影などもなく、異常ないそうです。
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体幹部側面X-P。
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肺綺麗ですね。

続いて腹部X-P。
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緑で囲った部分が、腫瘍の疑いありだそうです。

子宮付近を中心とした側面X-P。
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臓器が一部もやっと写っていますね。これが腫瘍の可能性があるようです。


本日時点では手術が終わって、結果的に腫瘍は両子宮に存在しており、癌化も懸念される状態でした。
術後、病理検査に回しましたので、現在は結果待ちです。

術後数日がたったウサコッツの様子です。
やっと食事がとれるようになってきました。それまではミルクで栄養と水分補給を試みました。
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次の日記では費用のお話などしようかと思っております。

ウサギの健康診断 -ウサドックでわかること-

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今回はウサギの健康診断についてです。

先日動物病院にいった際には、健康相談という形でしたので、主に飼育環境の相談や、簡易な触診・視診をおこなっていただきました。診察中におしっこを漏らしたので、それでついでに尿検査もおこなってくださいました。
そこで異常として指摘されたのは、日記でも書きました左下あごの腫脹と、子宮の一部腫脹です。

このような症状を踏まえ、今後どうしていきたいかを獣医さんに確認されました。
3つの選択肢が現状では考えられるそうです。

1.そのまま自然に任せる
 メスの去勢をしていないウサギは、6歳になるころには9割の確率で子宮に何らかの疾患がでるそうです。でもこれは自然なことなので、あえて何もしないというのも選択肢の一つであると言われました。
 これには理由があり、今から去勢を行った場合、既に腫脹している部分が他の組織と癒着している可能性も考えられるそうです。また腫脹は悪性ばかりではなく良性のものもありますが、悪性であった場合、既に転位しているなども考えられ、その場合は手術も難しくなると言われました。
 ですからあえてリスクを取らなくても、自然に多臓器不全や肺転移による呼吸困難で死んでいくのも一つの考え方だそうです。
 もちろん、疼痛コントロールは薬剤でしますし、酸素投与もできるので、ウサギの苦しみの軽減には十分に配慮できることが前提です。

2.ウサドックを受けて、今後の方針を決定する
 手術も視野に入れるのであれば、まずは現状を把握するために、現状を精査するのも一つの方法です。
 今回の場合、ウサギの子宮癌の可能性について示唆されました。そこで人間のように腫瘍マーカーなどの検査はあるのか確認すると、ウサギなどの動物向けはないとのことでした。
 では悪性腫瘍(癌)であるかをどうやって判別するのか確認すると、摘出した子宮の細胞診にて確定して、やっぱり悪性だからとってよかったねという流れになるそうです。良性の場合には、癌になる前にとってよかったねということになるそうです。

 ただウサギの場合、元々調子悪い事を悟らせないように生きているので、血尿などで何らかの内臓疾患の可能性が分かった時点では手遅れで、数日以内に死亡という例も少なくないとのことでした。
 ですので、そうなる前に私たちが対策をとるための手段としては有効だと私も思います。ただもし悪性腫瘍の可能性が示唆された場合には、早急に手術するのかを決断する必要があります。
 といいますのも、ウサギは寿命が短い分、例えば1週間どうするか考えたとすると、10倍の速度で人生を生きているので、その期間は10週間に匹敵します。すると、術前検査としてもう一度、一通りの検査が必要になります
 これ、理不尽と思うかもしれませんが、確かに人間の術前検査で10週前のデータで手術に踏み切ることはまずありえません。先生の説明で納得しました。

 ですのでウサドックをうけるなら、何かあった場合、手術するのかをウサギの体力や費用も含めてあらかじめ考えておくのが大切ではないかと思います。


3.いきなり手術をする
 ウサギのメスの場合、6歳で9割の確率で子宮の疾患に罹患しているとのことですので、上で書いたように何度も検査をするのはウサギにとっても負担となるので、健康相談の段階で決断し、手術の予約をとり、その時に術前検査として一通りの検査を行い、そのまま他の部位でも手術が必要であればその場で決断するという方法も提示されました。
 多少乱暴な方法かもしれませんが、ウサギにとって血液検査やCT検査などは精神的な負担となります。これを軽減するためにも、私としては良い手段かと思います。


尚、手術についてですが、以前は専用の器具が少なくウサギは麻酔管理が難しい為、その死亡率も高かったようです。
しかし最近では、下のようなウサギ専用の挿管チューブがでてきました。
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これにより気管挿管による呼吸の確保ができ、安定した手術が可能となったそうです。
ですので、手術による死亡を考慮するというよりは、手術によるウサギに対する負担とその予後、手術しなかった場合のウサギの苦痛で今は悩んでいます

今のところは、手術しようかなという意見が優勢ですが、夫婦間で意見の調整をして、近いうちに結論をだしたいと思っています。

当院では6~12ヶ月齢での不妊手術を推奨していることから、多くの子が手術を受けられます。不妊手術とはいえ、一般的にウサギは麻酔管理が難しいことから、以前はわりと大変な部類の手術でした。最近は安全な気管挿管の方法が確立していますので安定した手術が可能です。



おまけ:近所の専門病院でのウサドックの内容

検査は1日がかりです。

検査項目
<身体検査>
 全身(触診・視診)
 耳道内確認(視診)
 鼻(視診・聴診)
 腹部(触診・聴診)
 胸部(聴診)
 外陰部(視診)

<被毛皮膚検査>
 ダニチェック
 皮膚・被毛の状態確認(視診)
 足底の状態確認(視診) 

<口腔内>
 切歯・臼歯・舌の状態確認(口腔内視診)

<眼科検査>
 眼球検査
 眼圧検査
 鼻涙管通過検査

<血液検査>
 血液学的検査(貧血、白血球数、止血機能)
 生化学検査(腎臓・肝臓などの臓器の状態)

<レントゲン検査>
 腹部・胸部

<尿検査>
 尿の濃さ
 血尿の有無など性状検査

こうやってみると、結構本格的にやってくださるんですね。
私が職場で受けている検診より項目多いです。
これで2万円とはお得な気がします。人間のドックはもっと高いですからね。項目数が違いますけど。

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