電気自動車のリスク -消えない火災とハイリスクな救助活動-
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ここで気になったのは、電気自動車はそのまま通常通りの救助をすると感電するとセブライトが言い、オーチスがiPhoneでネットの情報を見つつ、バッテリーからモーターへ通じる電線を切るシーンでした。これ、気になっていたんで少し調べると事実のようですね。
救助活動とEV -シカゴファイヤーの描写は現実的なのか?-
少し古い2016年の記事ですが、日経がこれについて記事を書いています。これによれば、700ボルトの電流にまで耐えられる防護服を着て
漏電チェッカーでチェック後、
メーカーのサイトにあるマニュアルを元に救助を行うという手順をとります。
ドラマ内でもメーカーサイトを見てから救助に入ったところを見ると、あの描写は現実に沿ったものだったと思われます。
EVが出火した場合の問題点 -消えないEV火災-
EV車の事故について調べていると、同じく日経の2021年の記事でこんなものがありました。EVが仮に何らかの要因で出火した場合、中々消火できないんです。
記事では理由として、EVの多くが床下に電池を配置し、放水による冷却がしにくいことと、リチウム電池
自体が持つ電気エネルギーで再び熱を持ち発火することを繰り返すため、完全に電力もしくは熱が失われるまで冷やし続ける必要があることを挙げていました。
EV火災の原因について -様々なよういんで起こる熱暴走-
EVの火災発生の要因については、2022年の記事で以下のようなものがありました。火災の要因としては、
この熱暴走の要因ですが、充電のプログラムが悪い(熱管理が悪い)、過充電、断熱材が悪い、そもそも車の構造が電池が冷えにくい位置にあるなど様々な要因が考えられます。
の2つに大きく分けられます。リチウムイオン電池は有機溶剤を触媒にしている関係上、このような火災は避けられない運命にあります。でも技術が進めばリチウムイオン電池でも安全性が高まるのではと思われる方もいるかもしれませんが、調べる限りにおいては、リチウムイオン電池は根本的にこの触媒を使う以上、発火リスクは減らせません。
ただ、このリチウムイオン電池の弱点を解決するべく今トヨタが孤軍奮闘状態で開発を進めている全固体電池は、有機溶剤をしようしていないのと急速充電しても加熱しにくく、しかも劣化しにくいという特徴を持ちます。
詳しくはこちらの参照元記事を見てもらえると良いかと思います。
全固体電池の難点はコストと出力が弱くなるという点ですね。
まとめ -EV車は危険なのか?-
一応調べている最中に、発火に至った事故率を出しているサイトもありました。内燃機関(つまりガソリンやディーゼル車)の車は燃料漏れによる発火事故があるため、EV車よりも確かに事故率で見れば高いのは事実です。しかしながら、消火のしやすさでいけば、内燃機関の車は比較的短時間(概ね10分以内)で消火可能です。
対してリチウムイオン電池搭載のEV車は結局現場で消火できずに水槽に沈めて鎮火を待つといった大掛かりな消火をされた事例もあれば、テスラが充電中に自然発火した事故では21時に消火開始し、4時までかかって消火したと書かれていました。やっかいなのは、この火災、鎮火したと思ってら再発火するのを繰り返したため、最終的に下火になっている間にクレーンで車体を持ちあげ、下からバッテリーに直接放水を続けてやっと鎮火したそうです。
鎮火に使用された水もかなりの量で、10万リットルもの水が使用されたそうです。
※山火事で使用される大型の水上航空機が1回に運ぶ水が7万リットル
ですから、EV車に乗るということは、事故を起こした際にはかなり深刻な火災に救助を待つ間晒される可能性があり、また救助された後もおそらく車は燃え続けるということを知った上で購入すべきだと思います。