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AMD Ryzen 9 3900X」の発売で自作市場は久しぶりに活況となっていますね。
この日記を書いている2019年7月17日現在では、「Ryzen」はローエンドの2000シリーズが在庫がありますが、3000シリーズは3600の在庫があるのみで、他は全国的に完売です。

ここまで活況となったのは、性能と価格がこれまでの常識を打ち破ったからです。
AMDはこれまでCPUの総合性能がカタログスペックだけでなく実際にIntelを上回っていた時期が、かつてのK6やK7の時代を除いて長いことありませんでした。

しかし今回の「Ryzen」シリーズでは、ベンチマークでも実際の使用でも評判がよく、現行最上位の「Corei9-9900K」とほぼ同等性能となっており、動画エンコードなどの多数のコアを同時に使用する作業では性能が上回っています。
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※引用元:ASCII
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※引用元:ASCII

というような記事は多くのブログであるのですが、その対応マザーを比較したブログってほぼなく、また基準が違うので、どっちが優れた規格なのかがわかりませんでした。

そこで、公式や参考記事にあげたブログのデータをもとに、比較表を作ってみました。
私はZ170での自作を最後に最近、PCパーツの組み替えしていなかったので、世代ごとのデータもまとめました。
比較表※表は各メーカーのHPより抜粋し作成しました。転記ミスなどあったらごめんなさい


  • X570とシステムバスについて
今使用しているZ170+i7 6700kは、システムバスが前の世代の倍となり、これを使用した時に感動するほどの起動の速さを体感しました。あれから4年ほど経過しましたが、インテルはいまだにDMI3.0規格を使用していますので、8GT/sのままとなっています。
対するAMDは、X570でその倍の転送容量を実現しました。これが起動時間を直接的にあげるわけではありません(SATAがネックとなるので)が、「Corsair NVMe Gen4 PCIe M.2 SSD 1TB Force MP600 series Type2280」などの2019年7月頃より発売が始まったPCIe4.0対応のM.2 SSDを使用すれば、更に高速化が図れるのではないかと思います。

  • X570はPCIe4.0に対応
一番大きいのはこれではないでしょうか?
システムバスのところでも書きましたが、ストレージ間も、マザーボード内部でもPCIe4.0に対応したことで、処理したデータが円滑にやりとりできますから、性能を最大限に発揮できると思います。
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※PCIe各規格の違い

またM.2 SSDを使用すると減少しますが、PCIeの最大レーン数もZ390の24に対して、X570は40となっていますので、ここでもデータの詰まりは起こりにくいのではないでしょうか?

  • X570はメモリが128GBまで搭載できる
こんなに積んでも私は使い道ないですけど、仕事で使う方には用途あるんでしょうか。
32GB×4 で128GB いけますね。

  • 7/17時点で判明しているX570の不具合やデメリットについて
1.ASRockの「Taichi」シリーズでグラボがUSBヘッダと干渉する
2.一部メーカー品で、マザーボードのファンをグラボが覆ってしまう
3.各社BIOSのアップデートを頻回に行っている最中。安定板BIOSはもう少し先
4.PCIe4.0搭載の影響でX570チップセットの発熱がすごい。ケースによっては熱がこもる
5.PCIe4.0対応のM.2 SSD自体の発熱がすごく、ヒートシンク付き推奨
6.マザーボードの値段が高めの設定。その代わり、「Ryzen」シリーズにはファンがついている
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※ASRockのマザー例(2019年7月現在)
※同じASRock製でZ390は12800~48000円(2019年7月現在 価格コム)


現在判明している情報でX570を比較すると、違いはこんな感じでしょうか?
BIOSを含む不具合は、どのチップセットでも起こりうることですし、レイアウトの問題も初期には起こりうることです。
ですので初期の不具合を楽しめる心の余裕があれば、X570を購入するのは良いかもしれませんが、「Ryzen」はX470などの古いマザーにもBIOSのアップデートで対応予定ですので、データの転送速度が上がることにメリットを感じない方はX470を選ぶのが無難かもしれませんね。


最後に、Z390のメリットについても書いていこうと思います。
Z390のチップセット搭載のマザーボードは、2018年10月に発売され、既に目立った初期不良などは潰されていますので、今購入するのは安定版と思ってよいかと思います。
そして価格も一部のハイエンド以外はX570に比べ割安です。X570対応マザーはPCIe4.0対応のM.2 SSDはまだ出始めたばかりなので、こちらも一緒に揃えると、3700Xでも10万円ちかくの費用が発生します。


値段と性能と目新しさ、どれを優先するかで新「Ryzen」シリーズを導入するのかが決まってきそうです。



※参考記事: 
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